早期リタイア・アウトドア旅行&日常備忘録「還暦プラス」

60代早期リタイア後の日常・東京拠点 国内外アウトドア&温泉旅行記

火葬場がある町の煙突・天に昇る煙を見送る

私の人生一番の「ゆかりの地」

東京の 品川区西五反田に火葬場があって、

中学校庭の側に 煙突がそびえ建っていた。

 

ウチらローカルが 火葬場を嫌っていたかと言えば、

そうでもなく 町にある 施設のひとつにすぎず、

 

火葬場がある町に鐘は鳴らず「シンボルは煙突」

日常的に 天に昇る煙を見て育った。

   
調べたら 江戸時代から歴史ある 桐ケ谷火葬場、

都内の有名人の最期、多くは 桐ケ谷斎場へ。

まぁ 地元民は そんな事すら 気にせずだったくらい。

 

私の 高校時代 1979年ころの話、

 

居酒屋や 総菜屋でバイトをしてる 悪友たちは、

夜、帰りにウチに寄って 余った料理を置いて行く。

 

バイクのエンジン音で 誰が来たか解るのだが、

「弟や妹に食べさせろ!」という事だったのだろう。

 

あれは いつもと違う時間に バイクが来た。

 

「(仮) 田中(中3の担任)が死んだ!」と言う。

 

卒業後 1年以上会ってないが 20代の熱血教師だった。  

 

バイク事故で 仲間を亡くした後、

気分が沈んでおり 「お前!冗談にも程があるぞ!」

思わず 胸ぐらを つかんでしまったのだが、

 

悪友の瞳から 涙がこぼれた。ウソだろ・・・

 

また桐ケ谷火葬場に 来ることになるとは・・・

先生の写真が目に入った。

 

近所だから 中学時代の 同級生が集まってきて、

見慣れた いつもの煙突から 天に登る煙に 手を振った。

 

まさに天国へ。先生には、教え子と 校舎が見えただろう。

 
その後、先生の家に 皆で線香をあげに行った。

 

品川区中延にあった アパート 〇〇荘の2階の角部屋、

 

24歳の奥さんは、赤ちゃんを抱っこしながら、

押し寄せる俺らに ケーキまで用意してくださり、

 

死因は 咳で肺の血管が破れ 窒息死と聞いた。

まだ26歳だった。

 

今は 桐ケ谷斎場 煙が出る訳でもなく、

思い入れがある煙突はなくなった。

立派な建物になって 気が付かない人もいるだろう。

 

そうだ、お祖母ちゃんが亡くなった時も、

煙突から 天国へ昇る煙を 親族全員で見送ったが、

 

両親の時は 既に煙突がなく、時代の流れだね。